グラス/カップの使い方とマナー
ワインやシャンパン、食後のコーヒーなどを、様々な飲み物を楽しむのに欠かせないグラスやカップ。
カトラリーと同様に、様々な種類がテーブルにセットされているのを見ると、どんな使い方をしたら良いのか迷ったり緊張する場合もあるかもしれません。
グラスやカップもまた、用途によりそれぞれの役割があります。
ここでは、グラスやカップそれぞれの使い方のマナーをまとめています。うまく活用して、どんなシーンでも落ち着いて正しい使い方が出来るようにしておきたいものです。
● グラス/カップの使い方とポイント
・飲み物は注いでもらうのが基本
忘年会や居酒屋などでの飲み会などではボトルを持ってお酌をしますが、フランス料理のレストランや結婚披露宴などでは、原則グラスが空になっても自分からボトルを抱えてグラスに注ぐような事はなく、全てサービス係にお任せまします。
ただし、もうこれ以上飲みたくない場合は、サービス係が注ぎ足す際にグラスの上部分に軽く手かざすと「もう結構です」とのサインとなりますので、さりげなくジェスチャーで伝えてみましょう。
・グラスを持つ時は脚の部分を
ワインやシャンパンなどグラスに注がれた飲み物を飲む場合は、グラスの脚部分(ステム)を、親指・人差し指・中指の3本の指でしっかり持ちましょう(この時、下の方を持たれるとグラスの安定感がなくなるので、なるべく上側を持つようにすると良いでしょう)。
これは、冷たい飲み物が人の体温で温まってしまうのを防ぐ為です。
ただし、お水やソフトドリンクなどの場合はグラスも若干大きめなサイズのものも多いので、特にステムを持つ必要はなくボウル部分を持っても問題はありません。
● グラス/カップ それぞれの使い方
・グラス
グラスを持つ際は、親指と人差し指、中指、薬指の4本で持ちます。この時、グラスを持った指先がやや斜め下に向いている方が上品に見えます。
グラスをテーブルに戻す際は、テーブルにぶつけて音を立てないように注意しましょう。小指をグラスの底にそっと添えて、テーブルとグラスの間のクッションの様な役割にすると静かに丁寧に置く事ができるでしょう。
・コーヒーカップ
コーヒーカップは、カップの持ち手にある穴に完全に指を通さないように持つのがマナーです。持ち上げる際は、つまむように持つのがスマート。
中指や薬指の腹で持ち手の下側を支えるようにすると、大きめカップでも安定感が出ます。
・フィンガーボウル
洋食はフォークやナイフを使って食べるのが基本ですが、海老やカニなどフォークやナイフでは食べにくい料理もあります。
そんな時にはフィンガーボウルが一緒に出されます。これは手を使って食べていいというサインでもありますので上手に使ってみましょう。
とはいえ、指先をフィンガーボウルにつけてバシャバシャと洗うのはマナー違反です。使用する時は、丁寧に片手ずつボウルにつけて静かに洗います。洗った後はナプキンで拭きましょう。
>>「ナプキン 使い方のマナー」
● これだけは注意したい!グラス/カップ 使い方NG
・乾杯の際は、お互いのグラスを合わせない
食事のスタートに必ずと言っていいほど行う習慣と言えば「乾杯」。しかし、グラスをお互い合わせて「カチーン」とならすのはマナー違反です!繊細なグラスなどは、ヒビが入ったり割れたりする事もあるかもしれません。特別なディナーやお祝いの席などでこのような事になっては、せっかくの食事も台無しです。
乾杯は丁寧さを心がけて行いましょう。グラスを目の高さ程まで持ち上げ「おめでとうございます」「○○を祝して」など、その食事にふさわしい言葉を添えながら行うとスマートです。
・グラスに飲み物を自分で注がない
もしグラスが空になってしまったら、手を挙げたり目で軽く合図をするなどして、サービス係の人に注いでもらいましょう。くれぐれも自分でワインのボトルを持ち上げて注いだりしないように!
また、ワインをグラスに注いでもらっている間は、グラスを持ち上げたりグラスの脚の部分を押さえたりせず注ぎ終わるまで待ちましょう。
・一見丁寧に見えるマナー違反とは?
グラスやカップを持ち上げる際に小指をピンと立てるのは、丁寧に見えますがあまり上品な仕草とはされません。
また、グラス類の底を湯呑み茶碗の様に左手の指全体で添えるのも、かえって品格を落としてしまいますので気をつけましょう。