手紙の基本構成
手紙やハガキなどの文書は、基本的に「前文」「主文」「末文」「後付け」で構成された正式な書き方が存在し、日常的な手紙からビジネス文書まで幅広く使われています。この基本ルールに基づいて文章を書くと、内容が整然とまとまり読み手にも伝わりやすくなります。
ただし、あまり形式ばかりにこだわって書くと、堅苦しい印象を相手に与えてしまう場合もあります。基本的に手紙は気持ちや用件を伝えるもの。相手との関係性によっては、自分が普段使っている言葉で文章を書くほうが誠意が伝わる場合もありますので、状況に応じて臨機応変に書けるようにしたいものです。
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● 手紙の基本構成ルール
・前文
「前文」とは手紙の冒頭にあたる部分で、「主文」と呼ばれる本題の前に来る書き出しの文章の事です。前文は、だいたい以下の要素で成り立っています。
頭語 |
・「拝啓」など冒頭に書く挨拶語 ・相手や内容によって使い分ける ・状況や間柄、性別などによっては少し堅苦しい印象を与える場合もあるので必ず入るとは限らず省略する場合も ・原則「字下げ」は行わない |
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時候の挨拶 |
・季節に準じた挨拶の言葉が入る ・頭語の後に句読点を打たずに一字空けるか改行して書く (時候のあいさつの書き方) |
安否の挨拶 |
・相手の健康状態を尋ねるなどの安否の言葉や無事を喜ぶ挨拶 ・自分の近況や安否を伝える言葉 ・お世話になった御礼 ・ご無沙汰の謝罪 |
・主文
「主文」とは、手紙の本題にあたる部分です。「用件」「御礼」「謝罪」など、最も伝えたい事はここに書きます。改行して一字下げ、「さて」などの書き出しの言葉「起辞」から始めるのが一般的。これにより「前文」との区切りをつけて内容を分りやすく伝えます。
・末文
「末文」とは、手紙を終わらせる部分にあたります。
相手の健康を祈る言葉や、末永い付き合いを願う言葉などを書いた後、「結語(かしこ/敬具など)」で結びます。
通常最後に改行して、末文の最後の行の下に書きます。余白がない場合は次の行の下に書くのが一般的です。
・後付け
「後付け」とは、手紙を締めくくる最後の部分になります。
締めの挨拶 |
・主文の結びとして用件分りやすく一言でまとめる ・手紙全体の締めくくりとして結びの言葉を述べる |
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結語 |
頭語に沿った結び言葉 |
脇付(わきづけ) |
手紙の受取人に敬意を表して記す言葉。「御許」「机下」「侍史」など。 ※現在では省かれる傾向にある。 ※弔事の手紙、ビジネス文書などでは使用しない。 |
副文/添え文 |
・本文に書き忘れた事や、再度念を押したい事がある時などに書く。「追伸」「PS.」など。 ※目上の方宛てやお悔やみの手紙では避ける |
日付 |
手紙を書いた年月日。お祝い事なら「○年○月吉日」と書く。 |
署名 |
手紙を書いた差出人の名前を書く |
相手の名前 |
手紙の受取人の名前を書く |
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