持つ器・置いたままの器
ご飯茶碗や汁椀は手に持ち、刺身・焼き魚・天ぷらなどの平皿や共有の大皿は卓上に置いて食べます。小さな器でも、熱い、重い、指がかからないなど、安定して持てない場合は無理に持ち上げません。
| 器・料理 | 基本の扱い | 気をつけること |
|---|---|---|
| ご飯茶碗・汁椀 | 手に持つ | 底を支え、親指を中に入れない。熱さを確かめてから持つ。 |
| 自分用の小鉢 | 手に収まり、安定して持てるものは持つ | 持ちにくい形や重さなら卓上に置く。 |
| 丼 | 無理なく支えられるものは持つ | 重い、熱い、料理がこぼれそうな場合は置いて食べる。 |
| 刺身・焼き魚・天ぷらの平皿、共有の大皿 | 卓上に置く | 共有の料理は取り分け具で自分の取り皿へ。 |
| 土鍋・鉄板など熱い器、大きな盛り鉢 | 持ち上げない | 手で触れず、取り分けや置き場所は店の人に頼む。 |
「小さいから必ず持つ」とは限りません。たれの入った小皿の扱いも、料理や店の案内によります。手に持てる自分用の器か、熱くないか、傾けずに支えられるかを確かめましょう。
器を持ち上げて戻す手順
箸を持つ手と器を支える手がぶつからないよう、器を持ち替えるときは一度箸を置きます。右手で箸を使う場合は、次の順で動かします。
- 箸を箸置きへ戻す。箸を握ったまま器をつかまず、両手を空けます。
- 器を両手で持ち上げる。器の外側と底を支え、汁や料理をこぼさない高さまで静かに上げます。
- 左手で安定させてから箸を取る。親指は縁に軽く添え、ほかの指で底を支えます。指先を汁や料理に触れさせません。
- 戻すときも箸を置く。両手で器を支え、元の位置へ音を立てずに下ろします。器を卓上で引きずりません。
左手で箸を使う人は、扱いやすい手で器を支えます。手や指の動きに不自由がある場合は、器を置いて食べたり、スプーンを頼んだりしてかまいません。作法のために不安定な持ち方を続ける必要はありません。
箸置きの使い方や、器を箸で引き寄せないための動作は、お箸の使い方とマナー、お箸のNGマナー一覧も確認してください。
お椀の蓋を開ける・置く・戻す
蓋を開けるとき
箸を置き、片手で椀を支え、もう一方の手で蓋をゆっくり持ち上げます。内側の水滴は椀の上でそっと落とし、振って水を切らないようにします。
蓋が開きにくいときは、椀の縁を軽く内側へ押すと浮く場合があります。強く握ったり、蓋を力任せに引いたりせず、開かなければ「蓋が開きにくいので、お願いできますか」と店の人に頼みましょう。
外した蓋の置き場所
一般的な蓋付きの汁椀では、水滴が卓上へ落ちないよう蓋の内側を上にして脇へ置きます。右側の汁椀の蓋は右側、左側の器の蓋は左側が目安です。隣の人の場所へはみ出さず、柄や素材について店から案内があれば従います。
取り皿が必要なら、蓋を受け皿に代用する前に「取り皿を一枚いただけますか」と頼むと迷いません。
食べ終わったとき
蓋を出されたときと同じ向きで椀へ戻します。食事中に脇へ置くときの向きと、食後にかぶせる向きは異なります。裏返した蓋を椀へかぶせたり、斜めに押し込んだりしないようにしましょう。
下げてほしい場合は、他の器を押しのけて椀を移動させず、「こちらは下げていただいて結構です」と伝えます。店から食器の置き方を案内された場合は、その方法に合わせます。
汁が垂れそうなとき・持ちにくいとき
箸でつまんだ料理の下に手のひらを添える「手皿」は避けます。一口を小さくし、手に持てる自分用の取り皿やつゆの器を近づけて、卓上や服へ垂れるのを防ぎましょう。
| 迷う場面 | 取りやすい対応 |
|---|---|
| 煮物の汁が垂れそう | 小鉢を安定して持てるなら手元へ。大きな鉢なら一口を小さくし、必要に応じて取り皿を頼む。 |
| 天ぷらのつゆが垂れそう | 持てる大きさの自分用のつゆの器を近づける。熱い器や共有の器は持ち上げない。 |
| 丼が重い・熱い | 卓上に置いて食べる。食べにくければスプーンや取り鉢を頼む。 |
| 遠くの器に手が届かない | 箸で器を引かず、近くの人や店の人に取ってもらう。共有の大皿を自分の前へ移動させない。 |
汁椀は口をつけていただけますが、どの器でも同じように飲むわけではありません。平皿や共有の器を口元へ運ばず、料理に合う箸・スプーン・取り皿を使います。
食後は重ねず、静かに置く
- 器を重ねない。空の皿を片付けやすいように重ねると、器同士が触れて傷むことがあります。店で重ねるよう案内された場合は、その器だけを指定の方法で扱います。
- 引きずらない。陶磁器の底で卓上を傷つけることがあります。移す必要がある場合は箸を置いて両手でそっと持ち上げます。
- 食べ残しを別の器へ集めない。下げてもらいたいときは、食器を大きく動かすより言葉で伝えます。
- 蓋と箸をそれぞれ元の場所へ。椀には蓋を元の向きで戻し、箸は箸置きへ置きます。
熱い器は触らず、欠けやひびに気づいた場合もそのまま使わずに店の人へ知らせます。器の素材や装飾によって扱いは異なるため、自宅で使うときは製品ごとの取扱説明を確かめてください。